家には年を取った猫がいます。僕の父は元々動物を飼うのに反対だったのですが一人息子の僕がアメリカに旅立ち、仕事がいそがしくあまり家に帰れない父の間で寂しい思いをしていた母を不憫に思い、飼ったのでした。
年を取ったこともあり、何時もソファーの上で寝ているばかりの家の猫ですが、見ていると非常に不思議な事があります。それは毛づくろい。誰も毛づくろいの方法を教えていないのに、それは上手く毛を整えます。家の猫は産まれてまもなく家に来たので親からも教わっていません。家猫なので他の猫に教わる機会もなし。家には他の猫もいませんし、家族の中で毛づくろいをする人もいません(笑)。でも何故か家の猫はそのやり方を知っているのです。
動物には本能があり、毛づくろいもそうだということで議論を終わらせる事もできますが、そもそも本能とはなんでしょうか?本能とは動物が生き、始祖を繁栄させていく上で必然的に身につけているあらゆる能力と言えるかもしれませんが、毛づくろいをしてもしなくても猫は死ななそうです。最低でも家の猫はお気に入りのソファーとカンズメさえあれば大丈夫そうです(笑)。
仮に毛づくろいは猫同士がなんらかの社会関係を作る上で必要な本能だとしても、世界各地どの猫も毛づくろいをするというのはやはり不思議です。人だって、国、人種が違えば社会関係の作り方は違ってきます。
心理学者のユングは人は深層心理において先祖代々受け継がれてきた共通経験があると説きましたが、家の猫を見ているとその説を思い出さずにはいれません。本能には生死だけではなくもっと奥深い神秘に満ちた様々な情報がインプットされているのかもしれません。そう考えると困った時に直感で動くのも実は道理に叶った方法かも知れませんね。
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